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診療科・部門

泌尿器科



診療科の特徴

泌尿器科部長 永田 仁夫

泌尿器科は腎臓、尿管、膀胱、前立腺などの尿路および陰茎、精巣を対象とし、そこに起こる良性、悪性疾患の両方を取り扱うとともに頻尿、排尿困難などの機能性疾患を扱う診療範囲が多岐にわたる科です。スタッフは4名で外来診療、検査、さらには良性悪性疾患における手術や薬物療法、悪性疾患に対する抗がん剤治療なども行っております。
教育面では浜松医科大学に出向し学生講義をおこない、泌尿器疾患に対する講義を行っています。スタッフについても積極的に学会に参加・発表を行うことにより最新の知識を診療に還元するべく切磋琢磨しています。
浜松医療センターは浜松医科大学とHAMA (Hamamatsu Academic Medical Alliance)という地域医療連携法人を2025年4月1日より設立し、今後もより強固な連携を行っていきます。

診療の特徴

外来診療について:泌尿器科は尿道および腎盂カテーテル交換、膀胱鏡、腹部超音波検査、残尿測定、尿流量測定など外来にて行う処置および検査が非常に多岐にわたります。外来受診患者数は1日平均50人程度であり、そのうち他科および他院からの紹介初診患者が5-10人程度です。新たな紹介患者が多数紹介されてくることもあり、状態の安定した患者様は地域の開業医に連携の上紹介させていただいております。

入院診療について:主治医制をとってはいますが少人数の科であることを生かし、ほぼ毎日すべての患者様について診療方針を協議しチーム医療を行っております。

専門外来について

専門外来をもうけさせていただき、目的にかなったご紹介を受けやすい体制をとっております。
月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 PSA高値外来 PSA高値外来 PSA高値外来 PSA高値外来 PSA高値外来
午後 ロボット外来 ロボット外来
PSA高値外来:検診や他院でのPSA検査にて異常高値を示した患者さんの紹介枠です。
前立腺癌ロボット手術希望:ロボット紹介外来へご紹介ください
腎癌ロボット手術希望:ロボット紹介外来へご紹介ください
腎盂尿管癌ロボット手術希望:ロボット外来へご紹介ください
前立腺水蒸気治療(WAVE)希望:一般外来へご紹介ください
膀胱腫瘍手術(PDD-TURBt含む)希望:一般外来へご紹介ください
ゾーフィゴによる前立腺癌骨転移治療:一般外来へご紹介ください

対象疾患

腎臓の病気
腎癌・腎良性腫瘍
腎結石
腎盂腎炎
腎後性腎不全
腎外傷
膀胱の疾患
膀胱癌
神経因性膀胱
尿閉
過活動膀胱
膀胱憩室
膀胱炎
尿管の疾患
尿管癌
尿管結石
尿管狭窄
前立腺の疾患
前立腺癌
前立腺肥大症
精巣の疾患
精巣悪性腫瘍
精巣捻転

前立腺癌

前立腺癌の診断は、前立腺に針を刺して組織を採取する検査(針生検)をして確定します。PSA検査の普及により針生検をお勧めする機会が増えていますが、当院では外来での経直腸8本生検もしくは短期入院での経直腸14本生検を基本に対応しており、患者さんの状況、ご希望を考慮して選択しています。治療は、前立腺全摘術、放射線治療、内分泌治療などがあり、がんの悪性度、進行状況、年齢、ご希望など合わせて相談の上、決定します。放射線治療については強度変調放射線治療(IMRT)の導入により、手術と比較しても遜色ない治療効果が期待できます。進行がんに対しては内分泌治療が中心となりますが、近年新規の治療薬が承認され選択肢が増えています。ドセタキセル・カバジタキセルなどの抗がん剤治療は、できる限り通院で継続できるよう調整します。
2020年度よりロボット手術を導入し、現在順調に治療をおこなっております。

ロボット支援前立腺全摘除術について

ロボット支援前立腺全摘除術は早期の前立腺がんに行われる手術治療です。
従来の開腹術に比べ出血量が少なく、傷も小さいため、低侵襲で行うことが可能です。
具体的にはお腹の複数箇所の1cm~2cm程度の傷からロボットの鉗子を挿入し手術を行います。このため従来の開腹手術にくらべ傷も小さく済みます。また視野を保つために炭酸ガスを利用して気腹を行い手術を行いますが、この気腹により常時圧迫止血されている状態となり、出血量を抑えることが可能となります。

詳細は、こちらからご覧ください。

また2024年度より前立腺がんの骨転移に対する「Ra223を用いた放射線内照射治療」を開始しました。「去勢抵抗性前立腺がん」が適応であること、「骨転移にしか効果がない」こと、「ザイティガ®や抗がん剤とは併用ができない」ことなど使いどころはむつかしい治療ではありますが、骨転移による様々な問題(骨関連事象)を減少させるとの有効性が報告されています。

骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がんに対するRa223による治療

ゾーフィゴは世界で初めてα線を用いた去勢抵抗性前立腺がんの骨転移に対する治療薬です。
α線は放射線の中では強いエネルギーを持ち、0.1mm未満と届く距離が短いため、がんに対し強い効力をもちながらその他の臓器への障害を抑えることが可能です。
投与法は4週間に一回ゾーフィゴを注射します。外来通院にて投与可能でこれを6回繰り返します。注射の1週間前に採血などで副作用をチェックします。

詳細は、こちらからご覧ください。

腎癌

腎臓は背中両側にある握りこぶし大の臓器で体の水分やミネラルの調整・尿毒素の排出などを行っている臓器です。血尿などが主な症状ですが、近年では画像診断の発達によって他疾患にて撮影したCTなどから偶然発見される症例が増えています。腎癌の標準治療は手術であり、大きさ・場所・合併症などにより部分切除もしくは全摘除が行われます。
開腹術・腹腔鏡下手術を経て現在ではロボット支援手術へ移行しています。
当院でも2024年度よりロボット支援腎摘除術手術の導入を開始しました。部分切除術については技術的に難しく出血等の合併症の問題もあるため他院に紹介を行っています。
再発や手術困難な方には分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤などによって治療を行っています。

ロボット支援腎摘除術について

従来の開腹術に比べ出血量が少なく、傷も小さいため、低侵襲で行うことが可能です。
具体的にはお腹の複数箇所の1cm~2cm程度の傷からロボットの鉗子を挿入し手術を行います。腎臓が遊離したのちに傷の一つを腎臓が体外に摘出できる大きさに延長し、腎臓を摘出します。このため従来の開腹手術にくらべ傷も小さく済みます。また視野を保つために炭酸ガスを利用して気腹を行い手術を行いますが、この気腹により常時圧迫止血されている状態となり、出血量を抑えることが可能となります。
ロボットの鉗子は非常に小さく繊細な動きが可能で術者の手の動きを正確に模倣することが可能です。腎臓に出入りする血管は複雑なため、小さく繊細で正確な動きが可能なロボットによる恩恵は大きいと考えます。

詳細は、こちらからご覧ください。

腎盂尿管癌

腎臓は背中両側にある臓器で尿の生成を行っている臓器です。つくられた尿はまず腎盂に集められ、その後に尿管を通って膀胱に流れ込みます。
腎盂尿管癌はこれらの部位に発生した癌です。治療の基本は手術を基本としますが術前に化学療法を行った方が後の再発の危険が少ない事が示され、現在では化学療法を行ってから手術が一般的になっています。
腎盂は腎臓に分離不可能な状態で結合しており、また腎盂尿管癌は飛び石様に存在するため、手術としては腎・腎盂・尿管のすべてを摘除する形となります。術式は開腹術・腹腔鏡下手術を経て現在ではロボット支援手術へ移行しています。
当院でも2024年度よりロボット支援腎摘除術手術の導入を開始しました。
再発や手術困難な方には抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤などによって治療を行っています。

膀胱癌

血尿のため受診して発見されることがほとんどでしたが、CT、エコーなどの検査で偶然発見されるケースが増加しています。治療は、尿道から内視鏡を挿入して癌を切除する経尿道的切除術(TUR-BT)を行います。当院ではオリンパス株式会社のTURisシステム®に加えリチャードウルフ社の切除鏡を導入し電解質溶液を使用することにより手術の安全性を高めています。さらに2023年6月より光力学診断(PDD)を用いたTUR-BTを導入することにより診断効率をあげ、より安全で再発の少ない治療をめざしております。
切除した結果により追加治療が必要になる場合があり、筋層浸潤がんでは膀胱全摘術を含めた治療方針の検討が必要となります。化学放射線療法などを施行して、膀胱機能を温存できる場合もあります。

光力学診断(Photodynamic Diagnosis: PDD)を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術について

TUR-BT後の膀胱がんの膀胱内再発率は高く、40-50%と言われております。この高い再発率を改善するために近年光力学診断(PDD)を用いたTUR-Btの有効性が示され保険適応となりました。

詳細は、こちらからご覧ください。

尿管結石

発作時の激しい痛みが特徴ですが、多くは保存的治療(鎮痛、排石促進)をしつつ、自然排石が期待できます。排石困難な場合は、結石の位置、大きさなどにより体外衝撃波結石破砕(ESWL)と経尿道的尿路結石砕石術(TUL)のどちらがより良い適応かを判断し施行します。当院では2016年4月よりレーザー砕石装置を2016年度より導入し、現在も治療を継続しております。ESWLについては2021年度より再開をしております。日帰りでも治療が可能ですが適応もあるため、患者様の状態に合わせて相談しながら治療法を決定させていただいています。

前立腺肥大症

前立腺が肥大すると排尿困難、頻尿などの症状を呈します。良性疾患ではありますが、進行すると腎機能に悪影響があり、尿がまったく出なくなる尿閉状態となることもあります。薬物療法で症状の改善が期待できますが、効果が不十分な場合には、5-7日程度の入院で経尿道的前立腺切除術(TUR-P/TUBE)を施行します。TUR-Btと同様にオリンパス株式会社のTURisシステム®を導入し電解質溶液を使用することにより手術の安全性を高めています。また近年高齢や他の原因でリスクの高い患者に対し前立腺水蒸気治療が保険適応になりました。当院では静岡県内ではいち早く2023年6月6日より施行しております。

REZUM™による前立腺水蒸気治療(Water Vapor Energy Therapy: WAVE治療)について

前立腺水蒸気治療は水蒸気を前立腺に注入することにより前立腺肥大症を治療します。「低侵襲」「短時間」「異物が体内に残らない」という特徴があり、治療効果についても尿勢改善は従来のTUR-Pに比べ軽度劣るものの、自覚症状の改善効果は高い。また効果の持続も5年間の調査で証明されており、再手術率も2-4%と低いことも示されています。

詳細は、こちらからご覧ください。

高齢化に伴ってさまざま泌尿器症状でお困りの方が増えている一方、併存疾患や年齢によって治療選択が限られる場合もあり、本人およびご家族のご希望をふまえて、それぞれの方に最もあった治療を相談していきたいと存じます。

医師紹介

永田 仁夫(ながた まさお)

科部長 兼 臨床研究管理センター臨床研究管理室長
専門分野
泌尿器科一般
尿路結石症
資格等
医学博士
浜松医科大学非常勤講師
日本専門医機構専門医(泌尿器科)
日本泌尿器科学会指導医
日本尿路結石症学会評議員
日本癌治療認定医機構がん治療認定医
がん診療にかかわる医師に対する緩和ケア研修会受講
Certificate of da Vinci console surgeon
日本泌尿器科学会/日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器ロボット支援手術プロクター(RARP)
Phisicians Training requirements on Rezum System受講
Ra223安全講習会受講
難病指定医(泌尿器科・ペルオキシゾーム病・原発性高シュウ酸尿症)
身体障害者福祉法第15条第1項に規定する診断医師(ぼうこう機能障害)
略歴
卒業大学名:浜松医科大学
免許取得年:平成9年

秋 亮太(あき りょうた)

副医長
専門分野
泌尿器一般
資格等
日本泌尿器科学会指導医
日本専門医機構専門医(泌尿器科)
がん診療にかかわる医師に対する緩和ケア研修会受講
Certificate of da Vinci console surgeon
日本泌尿器科学会/日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器ロボット支援手術プロクター(RARP)
Phisicians Training requirements on Rezum System受講
略歴
卒業大学名:藤田医科大学
免許取得年:平成26年

内田 浩介(うちだ こうすけ)

医員
専門分野
泌尿器一般
資格等
日本専門医機構専門医(泌尿器科)
Certificate of da Vinci console surgeon
日本泌尿器科学会/日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器ロボット支援手術プロクター(RARP)
Phisicians Training requirements on Rezum System受講
略歴
卒業大学名:浜松医科大学
免許取得年:平成30年

横山 昌史(よこやま まさし)

医師
専門分野
泌尿器一般
資格等
Certificate of da Vinci console surgeon
がん診療にかかわる医師に対する緩和ケア研修会受講
略歴
卒業大学名:浜松医科大学
免許取得年:令和3年

週間予定

午前 外来
(永田・秋)
外来
(担当医)
手術
外来
(内田・横山)
手術(永田・秋)
外来
(永田・秋)
手術
(内田・横山)
外来
(内田・横山)
午後 外来
(永田・秋)
前立腺生検
(外来)
ESWL
放射線検査
手術 手術 手術 外来
(内田・横山)
前立腺生検
(外来・入院)
放射線検査

手術実績

部位 手術名 2022年 2023年 2024年
副腎 腹腔鏡下副腎摘除術 5 6
腎臓 腎摘除術 根治的腎摘除術 2 1 1
腹腔鏡下腎摘除術 1 1 1
ロボット支援腎摘除術 3
単純腎摘除術 1 1 1
腎尿管全摘除 腎尿管全摘除 3 2 2
腹腔鏡下腎尿管全摘除 2 2
ロボット支援腎尿管全摘除術 6
経皮的腎瘻増設術 2 6
開放腎生検 1
尿管 結石砕石 TUL 43 60 81
PNL
ESWL 24 75
膀胱結石砕石術 5 14 7
尿管ステント留置 35 72 125
尿管鏡 10 7 13
経尿道的尿管狭窄拡張術 1 1
尿管修復術 1
膀胱 膀胱腫瘍 TUR-Bt 70 38 31
TUR-Bt(光力学診断) 38 39
経尿道的電気凝固術 4 8 4
膀胱全摘除(回腸導管) 1
膀胱水圧拡張術 2 1
膀胱瘻増設術 1 2 1
前立腺 ロボット支援前立腺全摘除術 22 33 23
TUR-P/TUBE(電解質利用) 8 2 1
前立腺水蒸気治療(WAVE) 22 24
前立腺生検(手術室) 34 55 61
尿道・陰茎 尿道狭窄内視鏡手術 5 2 3
陰茎切断術
精巣・陰嚢 高位精巣摘除 5 6 2
精巣摘除術(前立腺癌) 1
精巣捻転手術 3 5 6
精巣上体摘出術 2 2 1
陰嚢水腫手術 3 2 3
後腹膜腫瘍摘除術 1

放射線治療実績

部位 手技名 2022年 2023年 2024年
前立腺 IMRT 21 37 39
Ra223 1

施設認定

日本泌尿器科学会専門医教育施設 拠点教育施設

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