X線テレビ検査
X線テレビ検査は、X線を用いて体の内部を動画で観察する検査です。臓器の動きや造影剤の流れを詳細に確認しながら、必要に応じてX線撮影をします。この検査は、消化器領域から整形領域まで、幅広い分野で行われる検査です。
第1X線テレビ室
キヤノンメディカルシステムズ:
UItimax-i
<2015年12月更新>
第2X線テレビ室
富士フイルムメディカルシステムズ:
CUREVISTA
<2015年10月更新>
第3X線テレビ室
島津製作所:
SONIALVISION G4 LX edition
<2021年2月設置>
第4X線テレビ室
キヤノンメディカルシステムズ:
UItimax-i
<2015年12月更新>
当院のX線テレビ検査室と主な検査内容
当院では、各検査の特性に合わせたX線テレビ装置を導入しています。それぞれの検査室で行われる主な検査内容をご紹介します。
第1X線テレビ室:呼吸器内視鏡検査
装置の特徴
Cアーム型のX線装置で、検査台に寝たままの状態で様々な角度から撮影できます。動く必要がないので、負担や危険を軽減し、安全に検査を行うことができます。
主な検査
- 気管支鏡検査: 肺や気管支の病気を詳しく調べるため、主に口から細い内視鏡を挿入し、内部を観察します。必要に応じて組織や細胞を採取し、病理診断を行います。
気管支内視鏡検査の様子
左:気管支内視鏡の画像
右:透視下気管支鏡の画像
第2X線テレビ室:消化器内視鏡検査
装置の特徴
デジタル処理により高画質な画像が得られるため、消化器系の精密な検査に適しています。
主な検査
- ERCP(内視鏡的逆行性胆管・膵管造影): 口から入れた内視鏡で胆管や膵管に造影剤を注入し、病気を診断します。
- 内視鏡的治療: ERCPで確認できた胆石を取り除く治療や、胆管や食道のせまくなった部位をプラスチックや金属のメッシュ状の筒(ステント)で押し広げる「ステント治療」、食道静脈瘤に薬剤を注入して出血を止める「硬化療法」などを行います。
食道内の静脈のこぶ(食道静脈瘤)に薬剤を注入し硬化させるスクレロテラピー、胆管や食道の狭窄(せまくなった)部位を金属のメッシュ状の筒(ステント)で押し広げる「ステント治療」等も実施しております。
左:ERCP(逆行性胆管造影)
右:ステント拡張術
食道静脈瘤治療
第3X線テレビ室
装置の特徴
高画質・低被ばくを実現した最新の装置です。長尺撮影や断層撮影(トモシンセシス)も可能です。
主な検査
- 大腸造影検査: 肛門からバリウムと空気を注入して大腸を撮影し、ポリープや大腸がんなどを診断します。検査時間は約30分です。正確な検査のために、事前の食事制限や下剤服用などの準備が非常に重要です。
- 胃部造影検査: バリウムを飲んで、食道、胃、十二指腸の病気を診断します。検査時間は約30分です。事前の食事や水分制限が必要です。
- 尿路造影検査(DIP): 造影剤を点滴し、腎臓、尿管、膀胱を詳しく調べます。
- 子宮卵管造影検査: 卵管に造影剤を注入し、子宮や卵管の形、詰まりがないかを調べます。
第4X線テレビ室
装置の特徴
第1X線テレビ室と同様、Cアーム型の装置で、患者さんに負担をかけずに様々な角度から撮影が可能です。
主な検査
- 脊髄造影検査(ミエログラフィー): 脊髄の病気を診断するため、造影剤を注入して撮影します。椎間板ヘルニアなどの診断に有効です。
- 整形外科分野の治療: 骨折や脱臼の整復を、リアルタイムのX線画像を見ながら行います。
- 嚥下造影検査:バリウムが付いた食べ物や飲み物を飲み込むことをリアルタイムのX線動画で観察することで、嚥下機能に問題がないかを調べます。
- その他、消化器領域など、多くの検査・治療を行います。
ミエログラフィー(腰椎部)
白い部分が造影注入後の脊髄腔、ヘルニアの診断に利用