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診療科・部門

自然気胸の手術について Q&A


Q 気胸とはなんですか?
A 一言で言うと「肺のパンク」です。肺の中の空気が、肺の外に漏れ胸の箱の中に空気が溜まった状態です。通常は肺と胸の箱とは1ミリの隙間もなくぴったりとくっついています(真空パックの食品と同じです)。そのため息を吸うときには、先に胸の箱が広がり、それにつられて肺も膨らみます(このときに肺の中に空気が吸い込まれます)。従って、肺がパンクして肺と胸の箱との間に空気がたまると肺の膨らみが不十分となり効率的な呼吸ができません。そのため胸が痛くなったり、咳が出たり、息苦しくなったりします。
Q 気胸にはどのような種類がありますか?
A 気胸は自然に肺に穴が開いて起こる「自然気胸」と胸部の外傷により肺にキズがついて生じる「外傷性気胸」に大きく二つに分けられます。また自然気胸には肺の表面にできた薄い袋(ブレブ・ブラ・肺のう胞と呼ばれます)がパンクする「原発性自然気胸」と、肺気腫や間質性肺炎等の病気の肺から空気が漏れる「続発性自然気胸」があります。原発性自然気胸は長身の若い男性に多く、また続発性自然気胸は高齢者に多いという特徴があります。
Q 気胸の治療法にはどのようなものがありますか?
A 自然気胸の治療法は3通りの方法があります。
① 経過観察(特に処置は行わない。入院または通院で)
② 胸腔ドレナージ(胸にチューブを挿入して肺から漏れ出た空気を脱気)
③ 手術(肺表面の薄い袋を切除)
Q 3つの治療法をどのように使い分けているのですか?
A 根本的な治療は手術でパンクした肺の表面の薄い袋(ブレブ・ブラ・肺のう胞)を切除することですが、パンクの穴が小さければ自然に穴が閉じることも期待できます。肺のパンクが軽度であれば経過観察で肺の膨張を待ちます。この場合気胸の急速な進行がなければ外来通院での経過観察も可能です。肺のパンクが中等度以上であれば局所麻酔で胸にチューブを挿入し脱気(胸腔ドレナージ)します。これは有効な呼吸を行うために必要な処置で、入院が必要となります。胸腔ドレナージのみで穴が閉じて気胸自体は一旦治ることもありますが、肺の表面の薄い袋は残ったままなので再発率は30%以上です。一般的に手術を行うのは気胸が再発した場合、胸腔ドレナージを行っても空気漏れが止まらない場合です。初発でも肺のパンクの程度が高度の場合、左右両側の気胸の場合には手術をお勧めしています。また初発でも、その後の大事な時期に再発を避けたい患者さん(受験生等)は手術を希望されることが多いです。稀ですが気胸発生と同時に胸の中に出血することがあり(自然血気胸)、この場合には緊急で手術を行う必要があります。気胸に対して様々な理由で手術が困難な時には、胸に挿入したチューブから胸の中に薬を注入する治療を行うこともあります。
Q 気胸の手術はどのように行われますか?
A 原則として胸腔鏡下肺のう胞切除を行います。具体的には全身麻酔で3箇所の孔から内視鏡(胸腔鏡)と手術器械を挿入し、胸の中(胸腔)をモニターで見ながら肺表面の袋(のう胞)を自動縫合器という器械を用い切除します。肺の切り口近くに新たにできたのう胞が気胸再発の原因となりうるため、肺の切り口を吸収性のフェルトで覆い再発を予防します。手術は正味60〜90分です。順調に経過すれば手術翌日に胸のチューブ(胸腔ドレーン)を抜去し、術後2日目に退院です。気胸の手術のほとんどは従来の開胸を行わずに胸腔鏡下で行なっていますが、胸腔鏡下のみでは操作が困難な時には開胸下で手術を行わなければならないこともあります。
Q 気胸の手術の後どれくらいで学校や仕事に行けますか?
A 退院後学校や仕事に行くこと自体は禁止していませんが、原則として術後1週間程度は運動や体に負担のかかる動作は避けてもらっています。
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