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診療科・部門

特発性正常圧水頭症について



特発性正常圧水頭症とは

頭の中には脳脊髄液があり成人男性で一日400ml程度産生されると言われています。脳脊髄液が溜まる空間は約150mlとされています。概算で一日3回髄液が入れ替わっていることになります。この髄液の吸収障害により徐々に髄液が溜まってくる状態を水頭症と言います。特発性正常圧水頭症の原因は動脈硬化などの可能性が示唆されていますが確定したものはありません。症状としては歩行障害、物忘れなどの認知症、尿失禁が特徴的ですが全部の症状が一時期に出現するものではなく軽度の歩行障害、認知障害から始まり徐々に悪化することが多いようです。

正常圧水頭症の診断は

正常圧水頭症の診断ではまず病歴を伺い次に神経所見を診ます。画像検査としては頭部CTおよびMRIを行います。ここで脳室の拡大が疑われた場合はタップテストといって腰椎を穿刺して髄液を30ml排除し神経所見の改善が見られるか判断します。30mlではなかなか改善がわかりにくい場合があり当院では持続脊髄ドレナージを行なっています。

持続脊髄ドレナージにてついて

当院では特発性正常圧水頭症が疑われる患者さんに対して持続脊髄ドレナージを行なっています。5日間入院して頂き行います。月曜日に入院していただき入院中の概要の説明 リハビリテーションにて認知機能の検査 歩行状態の検査を行います。火曜日に腰から細い管を挿入し3日間髄液を持続的に抜きます。一日200mlを目安とします。木曜日に管を抜き金曜日に認知機能、歩行状態の検査を行い改善が見られたかどうか判断します。さらに頭部CT,血液検査を行います。金曜日に退院し約1ヶ月後に外来にお越しいただきドレナージ前後で日常生活に変わりがあったかお聞きします。ドレナージの効果は1−3ヶ月程度は持続します。効果があった場合は手術を相談します。脊髄ドレナージの副作用としては髄液を抜くことにより頭痛、吐き気、めまいなどをきたすことがあります。また、頻度は少ないのですが頭の中に出血を来したりばい菌が入って感染を起こすことがあります。いずれも注意深い観察で悪化を防ぐことができます。

正常圧水頭症の治療(シャント術)について

正常圧水頭症の治療はシャント術が主に行われます。シャント術には脳室腹腔シャント術(V-Pシャント術)、腰椎腹腔シャント術(L-Pシャント術)などがあります。当科では主にL-Pシャント術を行っています。1時間程度の手術です(麻酔時間を含めると2時間程度) 腰から細いチューブを脊髄腔内に挿入し可変式バルブに接続後腹腔内に入れます。V-Pシャントに比べ脳を穿刺する事がないので侵襲が少なく比較的安全に行う事ができます。入院期間は2週間程度の予定です。
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