グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



静岡県外科医会

静岡県外科医会第250回集談会


日時 2024年9月14日(土) 13時30分~
会場 グランシップ静岡
会議室1001-1・1001-2
(静岡市駿河区東静岡2-3-1)
会長 和田 英俊(島田市立総合医療センター 院長)

演題一覧

 上部消化管・その他
プログラム順 演題名 筆頭演者氏名 筆頭演者所属
A-Ⅰ-1 右鎖骨下動脈起始異常を伴う食道癌に対し,頸部操作先行で胸腔鏡下食道切除術を施行した2例 木部 栞奈 静岡県立静岡がんセンター
食道外科
A-Ⅰ-2 Bulkyリンパ節による切除不能胃癌症例に対してNivolumab併用化学療法が著効し病理学的完全奏功を得た1例 高橋 慶太 秀峰会川村病院
A-Ⅰ-3 下膵十二指腸動脈瘤の原因が正中弓状靱帯症候群であった一例 横地 裕太 島田市立総合医療センター
外科
A-Ⅰ-4 巨大肝嚢胞に対して腹腔鏡下開窓術を施行した一例 酒井 隆行 JA静岡厚生連 静岡厚生病院
外科
A-Ⅰ-5 腹壁に発生した孤立性線維性腫瘍の一例 寺田 志帆 聖隷浜松病院
外科
 小腸
プログラム順 演題名 筆頭演者氏名 筆頭演者所属
A-Ⅱ-6 PTPシートによる小腸穿孔をきたした1例 髙橋 洵 浜松医療センター
A-Ⅱ-7 回腸憩室腸間膜内穿通に対して腹腔鏡下回盲部切除術を施行した1例 平田 梨紗 静岡県立総合病院
A-Ⅱ-8 VINCENTを用いた画像解析でPTPシート片による小腸穿孔を術前に診断できた1例 吉田 悠司 富士宮市立病院
外科
A-Ⅱ-9 内ヘルニアにより絞扼性腸閉塞をきたした腹壁破裂術後の非定型的な腸回転異常症の一例 山城 優太朗 静岡県立こども病院
外科(小児外科・成育外科)
A-Ⅱ-10 子宮体癌術後経過観察中に発見された小腸間膜神経線維腫の一例 黒田 希美 富士市立中央病院
外科
 大腸・その他
プログラム順 演題名 筆頭演者氏名 筆頭演者所属
A-Ⅲ-11 血管走行から術前診断に至った盲腸軸捻転症の1例 露木 宏海 富士宮市立病院
A-Ⅲ-12 緊急手術を必要とした狭窄型の虚血性腸炎の1例 溝口 和弥 静岡県立総合病院
消化器外科
A-Ⅲ-13 大腸穿孔に併存した出血性サイトメガロウイルス腸炎の1例 佐藤 健資 焼津市立総合病院
外科
A-Ⅲ-14 粘膜下腫瘍による腸重積と術前診断された盲腸癌の一例 出 慎 富士宮市立病院
外科
A-Ⅲ-15 膝窩静脈静脈性血管瘤に対して瘤切除再建術を施行した一例 小山 夏輝 浜松医科大学
第二外科・血管外科
 乳腺・胸部
プログラム順 演題名 筆頭演者氏名 筆頭演者所属
B-Ⅰ-1 乳癌の抗HER2療法によるがん治療関連心機能障害の2症例 神成 朝日 静岡赤十字病院
外科
B-Ⅰ-2 当院でのトリプルネガティブ乳がんにおける術前化学療法としてのPembrolizumabの使用経験 ~乳腺外科医に身近となった副腎不全~ 松島 宏和 静岡赤十字病院
外科
B-Ⅰ-3 静岡県初、低侵襲乳腺手術への挑戦 小林 あい 静岡赤十字病院
外科
B-Ⅰ-4 背部痛を契機に発見された胸腔内嚢胞の1例 神戸  勝世 聖隷浜松病院
外科
B-Ⅰ-5 月経随伴性気胸の1例 仙石 浩康 JA静岡厚生連 遠州病院
外科
 胆膵
プログラム順 演題名 筆頭演者氏名 筆頭演者所属
B-Ⅱ-6 前区域胆管に胆嚢管が合流した症例に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した1例 夏目 修平 磐田市立総合病院
消化器外科
B-Ⅱ-7 右側肝円索を伴う無石性胆嚢炎の1例  見原 遥佑 浜松医療センター
B-Ⅱ-8 十二指腸乳頭部癌が疑われ膵頭十二指腸切除術を施行し術後に浸潤性膨大部内乳頭管状腫瘍と診断された1例 橋渡 七奈子 聖隷三方原病院
B-Ⅱ-9 繰り返す急性膵炎を契機に発見したIntraductal papillary mucinous carcinomaの1例 小野 琳太郎 静岡県立総合病院
消化器外科
 ヘルニア
プログラム順 演題名 筆頭演者氏名 筆頭演者所属
B-Ⅲ-10 非乳頭部十二指腸神経内分泌癌に対し膵頭十二指腸切除を施行した1例 山根 秘我 聖隷三方原病院
外科
B-Ⅲ-11 鼠径部 Interparietal hernia の1例 石田 万智 掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター
外科
B-Ⅲ-12 1091病変の後方視的解析によるLap ProGrip ?の治療成績 田原 俊哉 聖隷三方原病院
外科
B-Ⅲ-13 鼠径ヘルニアに併存した陰嚢内脂肪肉腫の1例 泉福 尚紀 焼津市立総合病院
外科
B-Ⅲ-14 続発性会陰ヘルニアに対する腹腔鏡下修復術の経験 植田 浩太 聖隷浜松病院
外科
B-Ⅲ-15 傍十二指腸ヘルニアの一例 杉丘 尚弥 静岡市立静岡病院
外科・消化器外科

最優秀賞

B-Ⅱ-10
非乳頭部十二指腸神経内分泌癌に対し膵頭十二指腸切除を施行した1例
聖隷三方原病院 外科 山根秘我
聖隷三方原病院 外科
山根秘我、橋渡七奈子、松尾智曉、鈴木禎子、片山 諒、田原俊哉、丸山翔子、秋山真吾、山川純一、木村泰生、藤田博文
【症例】78歳、女性。健診にて便潜血陽性と貧血を指摘されたため、精査目的で当院に紹介となった。上部消化管内視鏡検査を施行したところ、十二指腸球部から下行脚にかけて3型腫瘍を認め、生検による組織学的検査では中分化型腺癌の診断であった。Vater 乳頭は正常であった。造影CTでは十二指腸球部から下行脚にかけて壁肥厚を認め周囲のリンパ節が腫大していたが、他臓器への遠隔転移は認めなかった。進行十二指腸癌の診断にて膵頭十二指腸切除術を施行した。切除標本の病理学的検査では 30%未満の中分化型腺癌成分を含んだ神経内分泌癌 (NEC) の診断であった。術後は食思不振が⾧期間続いているため補助化学療法は施行できなかったが、現在術後10ヶ月が経過し明らかな再発は認めていない。十二指腸 NECは稀な疾患であるが、その中でも特に稀な非乳頭部の十二指腸NECを経験したので、文献的考察を加え報告する。

優秀演題

A-Ⅰ-1
右鎖骨下動脈起始異常を伴う食道癌に対し、頸部操作先行で胸腔鏡下食道切除術を施行した2例
静岡県立静岡がんセンター 食道外科 木部栞奈
静岡県立静岡がんセンター 食道外科
木部栞奈、鴇沢一徳、井上正純、眞柳修平、坪佐恭宏
【はじめに】右鎖骨下動脈起始異常(aberrant right subclavian artery:ARSA)は先天的な角準割学的異常であり、右反回神経や胸管の走行異常を伴うため食堂癌手術においては注意を要する。ARSAでは右半回神経が形成されず、頸部で迷走神経から直接喉頭ヘ分枝する非反回下咽頭神経(non-recynyao inferior laryngeal nerve:NRILN)が形成される。NIRLNの分枝する高さにはバリエーションがある。今回われわれはARSAを伴う食道がんに対して安全に胸腔鏡下食道切除術を行い得た2例を経験したので報告する。
【症例】2例とも頸部操作を先行し、術中神経モニタリングを用いてNRILNを固定した。NRLINの走行は輸状軟骨の高さで横走して喉頭に向かうパターンが1例。斜めに下行し甲状腺上極の高さで喉頭に入るパターンが1例であった。胸腔内には右反回神経を認めなかった。いずれの症例も手術翌日に喉頸鏡検査を行い、NRILN麻痺がないことを確認した。
【結語】ARSAを伴う食道癌に対して頸部操作を先行することで安全に胸控鏡下食道切除術を行った。
A-Ⅱ-9
内ヘルニアにより絞挽性腸閉塞をきたした腹壁破裂術後の非定型的な腸回転異常症の一例
静岡県立こども病院 外科(小児外科・成育外科) 山城優太朗
静岡県立こども病院 外科 (小児外科・成育外科)
山城優太朗、矢本真也、三宅 啓、野村明芳、菅井 佑、 合田陽祐、福本弘二
【症例】16歳女児。腹壁破裂に対し、日齢0サイロ形成術、日齡10腹壁閉鎖術を行った。その後、問題なく経過していたが、今回、持続する腹痛・嘔吐を主訴に受診、造影CTにて小腸捻転を疑い、緊急手術を行った。
【手術手技・術中所見】臍縦切開で開腹、腹腔鏡を併用し観察した。全小腸と結腸の一部が内ヘルニアとなり 1080°捻転していたが、腸管壊死はなかったため捻転解除を行った。患者は腹壁破裂術後であり、Treitz 靭帯は形成されているもの、上行結腸、下行結腸にあたる結腸が後腹膜に固定されておらず、非定型な腸回転異常症であった。中結腸動脈と左結腸動脈の間の結腸間膜(本来 Treitz 靭帯の出口部に当たる部位)が欠損孔となっていた。Non-rotation にすると結腸が1回転捻れてしまうため定型的な Ladd 手術は行えず、腹腔鏡補助下結腸固定術を行った。
【結語】腸回転異常症は様々なタイプがあり、一概に Ladd 手術を行うことができるとは限らない。形態に応じた手術が必要である。
A-Ⅲ-12
緊急手術を必要とした狭窄型の虚血性腸炎の1例
静岡県立総合病院 消化器外科 溝口和弥
静岡県立総合病院 消化器外科
溝口和弥、徳田智史、佐藤真輔、渡邉昌也、大端 考、 金本秀行
【症例】86歳男性, Leriche 症候群に対する血行再建手術の既往があった。来院1日前からの下腹部痛のため救急搬送された。採血は軽度炎症反応上昇があり、CTで上行結腸に造影効果を伴う全周性壁肥厚を認め同部位で大腸腸閉塞を来していた。悪性腫瘍、炎症性疾患の鑑別を要したが、著明な盲腸拡張のため穿孔のリスクが高く緊急で右半結腸切除術を実施した、病理診断は虚血性腸炎に伴う閉塞性大腸炎であった。虚血性腸炎は壊死型・狭窄型・一過性型に分類され、狭窄型は 4.6%を占める。壊死型の治療は緊 急手術が第一選択だが、狭窄型は保存的加療も選択肢に上がる。虚血性腸炎の診断に下部消化管内視鏡検査は有用であり、病態把握のため可能であれば早期施行が推奨されている。本症例は狭窄型であったが術前内視鏡検査は穿孔のリスクが高いと考え施行せず、悪性疾患の可能性も念頭においた術式選択を要した、若干の文献的考察とともに報告する。
B-Ⅰ-2
当院でのトリプルネガティブ乳がんにおける術前化学療法としてのPembrolizumabの使用経経験
~乳腺外科医に身近となった副腎不全~
静岡赤十字病院 外科 松島宏和
静岡赤十字病院 外科1)、東泉クリニック 2)
松島宏和1)、菊池雅之1)、宮部理香2)、神成朝日1)、小林あい 1)、高橋淳博1)、込山新作1)、
北英典1)、小林純子1)、安藤崇史1)、熱田幸司1)、新谷恒弘1)
【症例】近年トリプルネガティブ乳がんに対するPD-1を標的とする免疫チェックポイント阻害薬と術前化学療法の併用による抗腫瘍活性が示された。2023年1月1日から2024年4月31日までにトリプルネガティブ乳がんの8人の女性がPembrolizumab (PEM)を併用した術前化学療法を受けた。5人の女性(64.5%)が病理学的完全奏功(pCR)を示したが、4 人の女性(50%)で術前化学療法中に副腎不全を引き起こした。副腎不全を呈した4人全てがpCRを呈した。PEMを投与してから症状発現期間の中央値は146.5日だった。その他の内分泌疾患の合併はなかった。3 者負荷試験が施行され、3人でACTH 単独欠損を認め、永久的な副腎皮質ホルモン補充を要する。PEM によって副腎不全を引き起こす場合は抗腫瘍活性が更に期待されるが、その一方で副腎不全は早期発見に難渋するケースも多く、診断が遅れると重篤になる可能性もある。早期発見する明確なプロトコルも存在せず、外来での慎重なフォローアップが求められる。
B-Ⅲ-14
続発性会陰ヘルニアに対する腹腔鏡下修 復術の経験
聖隷浜松病院 外科 植田浩太
聖隷浜松病院 外科
植田浩太、宮木祐一郎、戸松真琴、佐藤純人、鈴木一史
【症例】63才女性。5年前に直腸癌に対する腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術を施行。術後1年で会陰創直下の骨盤内膿瘍に対する切開排膿ドレナージを施行。直腸癌は無再発で経過していたが、左臀部の増大傾向のある膨隆を自覚し当科を受診。CTで骨盤腔から会陰部方向に脱出する小腸を認め、会陰ヘルニアと診断。経過観察方針であったが、疼痛の訴えあり、腹腔鏡下に会陰ヘルニアに対する修復術を施行。手術時間は276分、出血量は25ML。骨盤底に 5CM×5.5CMのヘルニア門を確認。ヘルニア門縁から3CMずつマージンを確保し、BARD COMPOSIX MESH (11.4 cm CIRCLE TYPE)を敷設。腹壁側は膣壁断端へ固定、背側は仙骨及び骨盤底筋群へ固定。術後5日で軽快退院。術後疼痛は改善し、1年経過も会陰ヘルニアの再発無し。続発性会陰ヘルニアに対する手術加療の報告は散見されるが、定まった術式は無い。今回我々は、腹腔鏡下にヘルニア修復術を施行した1例を経験したため、文献的考察を加え報告する。
  1. ホーム
  2.  >  静岡県外科医会
  3.  >  集談会について
  4.  >  静岡県外科医会第250回集談会
ページトップへ戻る