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乳腺外科



診療科の特徴

乳腺外科長 杤久保 順平

日本人女性の乳がん罹患率(乳がんにかかる率)は急激に増加しており、11人に1人が乳がんにかかると言われています。
欧米では60歳代など高齢になるほど乳がんにかかりやすい傾向がありますが、日本では40歳代、50歳代の方にも乳がんが多発しており、30歳代でかかる方も少なくありません。
乳がんは早期に発見し治療を行えば治せる病気です。乳がんを早期の段階で正確に診断し、一人一人の乳がんの性質に応じた適切な治療を行うことが大切です。

乳がんの早期発見と乳房腫瘤の良悪性診断

マンモグラフィでしか指摘できない石灰化病変に対してマンモトーム生検を行い、乳がんの早期発見に努めています。
また、乳房腫瘤(しこり)に対してはエコー(超音波検査)で病変を確認しながら針生検を行い、確実に診断するようにしています。

乳がんの初期治療

乳がんには複数のタイプがあることが遺伝子発現解析で明らかになり、現在は「ルミナ―ル A」「ルミナ―ル B」「ルミナ―ル HER2陽性」「HER2陽性」「トリプルネガティブ」の5つの病型に分類され、それぞれに最適な治療法が明確になりました。当科では、乳がんのタイプを正確に見極め、局所治療(手術、放射線)と全身治療(ホルモン剤、抗がん剤、分子標的剤)を組み合わせることで、一人一人の乳がんの性質に応じた最適な治療を提供しています。
a. 術前薬物療法を基盤にした乳がん初期治療
従来、乳がん治療の基本戦略は、まず手術で乳房のがんを取り除き、手術後に再発リスクを低減するための薬物療法(術後薬物療法)を行うことでした。しかし、近年は乳がんのタイプや病変の大きさによっては手術前に薬物療法(術前薬物療法)を行うことも多くなりました。術前薬物療法には、がんが縮小して乳腺の切除範囲が狭くなることで手術の時に乳腺を温存しやすくなる、薬物療法中に治療効果を確認できるなどのメリットがあります。

b. 根治性、整容性を重視した手術療法
乳がんに対する手術では、乳房内のがんの広がり、患者さんの希望、生活習慣などを考慮し、がんの根治性を確保した上で、患者さんが満足できる乳房を残せるように心がけています。
乳房内でのがんの範囲が狭く、乳房温存を希望される方には乳房温存手術(乳房部分切除+術後放射線療法)を行います。MRI、エコー、マンモグラフィの所見から病変の広がりを正確に評価し、根治性と整容性を両立した過不足ない乳腺部分切除を行います。
早期乳がんでありながら乳房内でのがんの範囲が広く乳房温存が難しい方には乳房切除術を選択しますが、患者さんの希望に応じて乳房再建術を行っています。乳房再建には人工物(シリコンインプラント)を用いる方法と自家組織(腹直筋皮弁、広背筋皮弁)を用いる方法があり、患者さんと相談して決定します。人工物を用いた乳房再建は一般的に複数回にわたる(初回手術でエキスパンダ―を挿入し、2回目の手術でシリコンインプラントに交換する)ことが多いですが、病変が乳頭から離れていて乳頭の温存が可能な方には、一回の手術でがんの切除(乳頭温存乳房切除)と乳房再建(シリコンインプラント)を完遂させる一次一期再建を行っています。また2017年に当院で脂肪移植の設備が導入され、希望に応じて脂肪注入を合わせて行うことでよりきれいな乳房再建が可能になりました。
また、術前検査でリンパ節転移がないと判断される患者さんには、RI(放射性同位元素)と色素を併用したセンチネルリンパ節生検を行うことで、腋窩リンパ節転移がない場合には腋窩リンパ節を温存しています(腋窩郭清の省略)。これにより、腕のリンパ浮腫といった術後の合併症を減らすことが可能になりました。

再発乳がんに対する治療

患者さんの生活の質(QOL)を維持しながら長期間の生存を得ることを目標とした治療を行います。患者さんの状況に応じて薬物療法や放射線療法を選択し、痛みの緩和(ペインコントロール)なども緩和医療チームと連携しながら対応しています。

チーム医療の実践

患者さんとそのご家族を中心として医療スタッフ(乳腺外科医、乳がん認定看護師、薬剤師、放射線治療医、形成外科医など)がチームを作ることで、質が高く、治療をうけている患者さんとそのご家族が満足していただける医療を目指しています。

対象疾患

  • 乳腺の悪性腫瘍(乳がん、悪性葉状腫瘍など)
  • 乳腺の良性腫瘍(線維腺腫、乳管内乳頭種など)
  • その他の乳腺疾患

医師紹介

杤久保 順平(とちくぼ じゅんぺい)

科長
専門分野
乳腺外科
資格等
医学博士
日本外科学会 外科専門医
日本がん治療認定医機構 認定医
検診マンモグラフィ読影認定医師 A
乳がん検診超音波検査実施・判定医師 A
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 実施医師
略歴
卒業大学名 浜松医科大学
免許取得年 平成14年

細川 優子(ほそかわ ゆうこ)

副医長
専門分野
乳腺外科
資格等
医学博士
日本外科学会・外科専門医
日本乳癌学会・専門医
検診マンモグラフィ読影認定医師 A
乳がん検診超音波検査実施・判定医師
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 責任医師  
略歴
卒業大学名 浜松医科大学
免許取得年 平成18年

永田 武士(ながた たけし)

乳房再建担当医師
専門分野
形成外科一般
乳房再建
資格等
日本形成外科学会 専門医
日本創傷外科学会 専門医
日本外科学会 専門医
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 責任医師
略歴
卒業大学名 浜松医科大学
免許取得年 平成16年

私は人工乳房による乳房再建が保健適応になる以前から浜松医科大学で乳房再建手術を担当し、2018年3月まで浜松医療センターで乳房再建の手術に携わってきました。2018年5月より船越町にながたクリニックを開院しましたが、非常勤医師として引き続き乳房再建手術を行うことになりました。
乳房再建手術には人工物を用いる方法と自家組織を用いる方法がありますが、いずれの方法を選ばれるにしても患者さんとよく相談し、希望に添えるように努力しています。個人的には、乳がん手術を行った後も、温泉など人前で裸になることができるような手術、つまり、ぱっと見では乳房再建手術を行ったかどうかわからないようなレベルの再建を理想としています。そのため、当院では一次一期再建(一回の手術で乳癌手術と再建手術を完遂する)の割合が高いことが特徴的です。また、乳房再建後の修正のオプションとして、脂肪注入も行える環境を整えています。
乳房再建手術には乳腺外科と形成外科の協力が不可欠です。今後も患者さんの満足度の向上を目指し、努力していきます。

東堂 暢子(とうどう のぶこ)

乳房再建担当医師
専門分野
形成外科一般
略歴
卒業名 浜松医科大学
免許取得年 平成25年

天野 一恵(あまの かずえ)

乳がん認定看護師
資格等
乳がん看護認定看護師
看護師は、乳がんの治療にともなう症状や日常生活のアドバイスなど幅広く対応させていただいています。
中でも「といもつらい…」「治療を決めるのに迷う」など、患者さんがとてもお困りの際には、その方の内容に応じて専門認定看護師と連携しながら対応させていただいています。
例えば、乳がんの治療法に関連したご相談であれば化学療法看護認定看護師や放射線療法看護認定看護師、こころやからだなどの様々な”痛み”に関連したご相談であれば緩和ケア認定看護師あるいはがん看護専門看護師、治療や療養生活など乳がんに関わること全般であれば乳がん看護認定看護師といったように、各専門と力をあわせて皆さんのお手伝いをせていただいています。
当院の乳腺外科は、来院された皆さんに”この病院を選んでよかった”と感じていただけるよう、チーム一丸となって全力でサポートさせていただきます。

週間予定

午前 外来 外来 手術 外来 手術
午後 カンファレンス 外来 手術 外来 手術

実績

乳房部分切除術 69件
乳房切除術 32件
乳頭温存乳房切除術 11件
一次一期乳房再建(シリコンインプラント) 11件
一次一期乳房再建(広背筋皮弁) 2件
一次二期乳房再建 8件
乳腺良性腫瘍手術 12件

施設認定

日本乳癌学会 認定施設
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 乳房再建用エキスパンダー実施施設
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 乳房再建用インプラント実施施設