グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  診療科・部門 >  感染症内科 >  インフルエンザQ&A

インフルエンザQ&A


浜松市内でもインフルエンザが流行に伴い、インフルエンザに関する疑問や不安を感じていることと思います。
当院感染症内科部長矢野邦夫・小児科部長西田光宏が、患者の皆さまの疑問や不安に対し、Q&A形式で回答しています。

副院長 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長
矢野 邦夫

小児科部長 西田 光宏

ページ内目次


[インフルエンザの伝播について]

Q1. インフルエンザウイルスはどのように人から人に感染するのでしょうか?インフルエンザの人がいる部屋に行くだけで感染するのでしょうか?

A1. インフルエンザは飛沫感染します。飛沫は人が咳やくしゃみをしたときに、口や鼻から飛び出す微粒子で水分が含まれています。そのため、比較的重いので2m以上は飛ぶことができません。すなわち、インフルエンザの患者から2m以上の距離を保てば感染しないといえます。インフルエンザウイルスは空気感染しないので、インフルエンザ患者のいる部屋に入るだけで感染することはありません。インフルエンザ患者が乗車している電車に乗ったとしても、2mの距離があれば感染しません。
[インフルエンザワクチンについて]

Q2. インフルエンザワクチンは何月から接種するといいのでしょうか?早く接種すると、流行期の間に効果が切れてしまうか心配です。

A2. 10月になったら接種を開始します。確かに、高齢者などでは流行期の終わりころにはワクチンの効果が低下してくることがあります。しかし、インフルエンザの流行開始は予測できません。早期に流行することもあります。そのため、10月になったら接種することが大切です。接種してから効果がみられるまで2週間必要です。

Q3. インフルエンザワクチンを接種する前にインフルエンザに罹患してしまいました。もう、接種する必要はありませんか?

A3. インフルエンザウイルスにはA型とB型があり、A型にはH1とH3、B型には山形系統とビクトリア系統があります。すなわち、4種類のインフルエンザが流行する可能性があるので、1つに感染したといっても、残りの3種類に感染する可能性があります。是非とも接種してください。

Q4. インフルエンザワクチンは成人では1回、小児では2回が必要なのですが、仕事を休んで、子どもを病院に2回もつれて行くことはできません。1回のみの接種では効果は期待できませんか?

A4. 13歳未満の方は、2回接種です。1回接種後よりも2回接種後の方がより高い抗体価の上昇が得られることから、日本ではインフルエンザワクチンの接種量及び接種回数は次のとおりとなっています。
(1)6カ月以上3歳未満の方 1回0.25mL 2回接種
(2)3歳以上13歳未満の方 1回0.5mL 2回接種
なお、世界保健機関(WHO)においては、ワクチン(不活化ワクチンに限る。)の用法において、9歳以上の小児及び健康成人に対しては「1回注射」が適切である旨、見解を示しています。また、米国予防接種諮問委員会(US-ACIP)も、9歳以上(「月齢6ヶ月から8歳の小児」以外)の者は「1回注射」とする旨を示しています。
1回でもある程度の効果が期待できますが、できれば2回接種をお薦めします。

Q5. インフルエンザワクチンには卵の成分がごく少量含まれているので、卵アレルギーのある人には接種してはいけないのでしょうか?

A5.インフルエンザワクチンの添付文書には接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)として「本剤の成分又は鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対して、アレルギーを呈するおそれのある者」と記載されています。実際には、重症な卵アレルギーの人にインフルエンザワクチンを接種してもアレルギーを起こさないことが報告されています。また、ワクチン接種後に重症なアレルギーを起こした人の調査では、接種後の反応と卵アレルギーとは関連がないことがわかっています。卵アレルギーでも卵の入ったお菓子やパンを食べても大丈夫の人はインフルエンザワクチンの接種は可能です。過去に重症なアナフィラキシーを起こしたことがある人は摂取できるかどうか主治医に確認してください。

Q6.インフルエンザワクチンを接種しても、インフルエンザに罹患する人がいます。それならば、接種する必要がないのではないでしょうか?

A6. 確かに、インフルエンザワクチンを接種しても、インフルエンザに罹患する人はいます。しかし、インフルエンザワクチンには重症化を防ぐ効果が期待されますので、是非とも接種してください。特に、高齢者や抵抗力が低下している人は接種することが大切です。

Q7. タミフルなどの予防内服をすればインフルエンザに罹患しにくいとと聞いています。それならば、ワクチンを接種する必要がないのではないでしょうか?

A7. インフルエンザ患者に濃厚接触してしまった人に予防内服をお勧めすることはあります。しかし、予防内服には条件があります。それはインフルエンザ患者の同居家族であり、かつ、(1) 65 歳以上(2)慢性心臓・呼吸器疾患患者(3)代謝性疾患患者 (糖尿病等)(4)腎機能障害患者のいずれかという条件です。
また、予防内服は内服中のみ有効であり、飲み終わった翌日からは効果はありません。いつインフルエンザに曝露するか判らないので、日常的に飲み続けることはできません。やはり、ワクチンによって予防することが最も大切です。

Q8.インフルエンザワクチンを接種したあとにはお風呂やシャワーはだめでしょうか?

A8.すべてのワクチンの接種後に風呂やシャワーは問題ありません。
[インフルエンザの診断について]

Q9.インフルエンザの診断のために、鼻腔に綿棒を入れて採取した粘液を検査します。しかし、インフルエンザに罹患してすぐに検査しても陰性となるので、翌日に再診して検査したほうがよいのでしょうか?

A9.抗インフルエンザ薬はインフルエンザ発症2日以内で開始すると罹患期間を1日短縮し、回復を早めることが知られています。発症後12時間以内で開始すると罹患期間を3日も短縮できます。1〜3歳の幼児に発症24時間以内に治療開始すれば回復を3.5日早めることができます。そのため、発症翌日に検査してから治療を開始することは抗インフルエンザ薬の効果を減弱させることになります。インフルエンザの流行期では「発熱+咳」の2つがあれば、インフルエンザである確率は79%であるという研究結果もあります。そのため、流行期ならば検査が陰性であっても、治療を開始することが大切です。流行期以外では検査をして陽性を確認してからの治療となります。
[インフルエンザの治療について]

Q10.インフルエンザ治療薬にはタミフルなど、様々な薬剤があります。最近では「ゾフルーザ」という新しい抗インフルエンザ薬が利用できるようになりました。しかし、テレビなどで耐性ウイルスが出現するので気を付けようなどの報道がみられます。ゾフルーザは避けた方がよいのでしょうか?

A10. (成人の場合)ゾフルーザで耐性ウイルス(耐性の定義が明確ではないので正確には低感受性ウイルスといいます)の発生を心配するのは「インフルエンザウイルスA(H3)」の場合だけです。そのため、成人ではゾフルーザの耐性を心配する必要はありません。また、インフルエンザウイルスA(H1)であれば耐性の心配はありません。インフルエンザBではゾフルーザが有用であり、かつ耐性の心配がないので年齢に関係なく、お勧めです。

(小児の場合)日本小児科学会の2019/2020 シーズンのインフルエンザ治療指針には ゾフルーザについて以下のように記載されています。
変異ウイルスは主として A(H3N2)、A(H1N1)で検出されています。ゾフルーザでの治療後 3-9 日に 9.7%の患者検体で変異ウイルスが検出され、85.3%はウイルス量の一過性の増加が認められ、症状の増悪も 10%前後に認められているとの報告もあります。
ゾフルーザの使用経験に関する報告が少ない事や薬剤耐性ウイルスの出現が認められることから、日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会では 12 歳未満の小児に対する同薬の積極的な投与を推奨していません。タミフルなどの従来の抗ウイルス薬が使えない場合などは主治医と相談して処方してもらうのがよいでしょう。
[インフルエンザに罹患したときの生活について]

Q11. インフルエンザになると発熱します。このような場合にはお風呂に入ってはいけないのでしょうか?

A11. お風呂に入る元気があれば入浴してください。入浴やシャワーをすると解熱するので、解熱剤を使用するよりも、健康的です。体力が消耗して動けないようでしたら、入浴は止めてください。

Q12. インフルエンザのときには、お粥にしたほうがよいでしょうか?

A12. 患者さんが好きなものであれば何でも召し上がってください。お粥に指定する必要はありません。

Q13. 家族がインフルエンザになりました。家族間で感染するのが心配です。どうすればよいでしょうか?

A13. 患者さんは咳エチケットを徹底します。咳をするときには口や鼻を押さえ、手洗いします。マスクも有用です。周囲の家族も患者から2m以内に近づくときにはマスクをします。狭い部屋ならば換気します。
[インフルエンザの合併症について]

Q14. 知り合いの方がインフルエンザになったあとに、重症の肺炎となり、集中治療室での治療をうけていました。インフルエンザと肺炎は関連するのでしょうか?

A14. インフルエンザに罹患したあとは肺炎球菌や黄色ブドウ球菌による肺炎に罹患しやすく、重篤になりやすいです。そのため、特に高齢者は肺炎球菌ワクチンを接種しておくことが大切です。