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熱中症について~コロナ禍時代の熱中症対策~



遅い梅雨明けと共に猛種がやって来ました。今年は例年と異なり、新型コロナウイルス感染症を心配しながらの熱中症対策が必要になってきます。

Q1. 熱中症ってどんな病気ですか?

A1.「熱中症」はいわゆる日射病や熱射病などをまとめて表現したものです。暑さに曝されたために体温の調整が効かなくなり、血液の巡りに異常が起きて、さまざまな症状、例えば吐き気、筋肉痛などが出ます。重症になると、意識が悪くなったり、けいれんが起きたり、最悪死亡することもあります。

Q2. 屋内でも発生すると聞いていますが?

A2. 実は、炎天下ばかりでなく、室内で静かに過ごしていても起こり得ます。特にお年寄りの場合は、自宅で起こることが多いくらいです。自宅でエアコンをつけずにいるお年寄りが熱中症になって倒れているのを発見されるというケースが多いです。体育館で練習する運動部なども注意が必要です。

Q3. 具体的な症状と対応をもう少し細かく教えてください。

A3. いくつかの段階があります。
まず日射病あるいは熱痙攣という段階です。日本神経救急学会分類ではⅠ度熱中症めまい、吐き気、筋肉痛、こむら返りなどがあります。大量の汗で皮膚は湿っています。体温は正常か38度程度までの上昇です。このような症状が必ずしもそろうわけではなく、なんとなく元気がない、という程度のこともあります。この段階であれば涼しい日陰やクーラーの効いた室内などに移動し、衣服をゆるめて休み、水分を補給して対応します。この時、水分だけではなく、汗によって失われた塩分も補給する必要があります。スポーツドリンクを少しずつ何回にも分けて補給しましょう。症状が強い場合や口から水分を摂ることが出来なければ、病院で点滴をしなければなりません。また熱中症になった後は、しばらくの間は体をいたわる生活をする必要があります。

Q4.その位であれば、家庭での応急処置で対応できそうですね。更に症状が進むとどうなるでしょうか?

A4. 更に症状が進むと熱疲労という状態になります。前述の学会分類ではⅡ度熱中症と言います。たくさんの汗をかき、皮膚は青白く、体温はやや高めで、38度から40度までになります。頭痛、嘔吐に続き、集中力や判断力の低下などの意識障害が生じてきます。この段階では必ず病院を受診して下さい、点滴治療が必要になります。

Q5. 病院に受診するタイミングを逃してはいけませんね。もっと重症になることもあるのですか?

A5. 更に重症なものが熱射病です。学会分類ではⅢ度熱中症です。脱水が進み、もはや汗をかいていません。皮膚は赤く、熱っぽくなり、体温は39℃を超えることが多いです。意識も低下し、けいれんが生じることもあります。そのままでは死に至ることもあります。極めて緊急に対処し、救急車を手配する必要があります。病院では救命救急センターに収容し、集中的な治療を行います。

Q6.それでは熱中症にならないためにどのようなことに注意すれば良いのでしょうか?

A6.まず体調を整えましょう。睡眠不足や風邪ぎみなど、体調の悪いときは暑い日中の外出や運動は控えて下さい。服装にも注意して下さい。通気性の良い服を着て、外出時にはきちんと帽子をかぶりましょう。またこまめに水分補給をしましょう。「のどが渇いた」と感じたときには、すでにかなりの水分不足になっていることが多いです。定期的に少しずつ水分を補給しましょう。特に夏場は汗と一緒に塩分が失われることを考えると、スポーツドリンクを飲むのがオススメです。また年齢も考慮に入れて下さい。体内の機能が発育途中の子どもや、体力が衰えはじめた高齢者は熱中症になりやすいです。特にお年寄りはエアコンは贅沢だと思って、我慢してしまったり、渇きをあまり感じなくて水分を十分に摂らなかったりということが多いです。周囲の人も配慮して下さい。今年は新型コロナウイルスの影響で、室内で過ごした時間が長く、暑さに馴れず、汗をかきにくい体になっているため、例年以上に注意が必要です。

Q7.新型コロナウイルス感染症と熱中症は症状が似ていると聞きますが。

A7.発熱あるいは高体温、倦怠感、食欲不振、筋肉痛など似たような症状が多く、症状だけでは区別が難しいことがあります。発症状況、経過、行動歴などを合わせて総合的に判断することになります。

Q8.コロナ禍時代の「新しい生活様式」を守りながらの熱中症予防行動のポイントを教えてください。

A8.マスクは飛沫の拡散予防に有効で、「新しい生活様式」でも一人ひとりの方の基本的な感染対策として着用をお願いしています。しかし高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクを外すようにしましょう。マスクを着用する場合には、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。また、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要です。外出時は暑い日や時間帯を避け、涼しい服装を心がけましょう。 熱中症予防のためにはエアコンの活用が有効です。ただし、一般的な家庭用エアコンは、空気を循環させるだけで換気を行っていません。新型コロナウイルス対策のためには、冷房時でも窓開放や換気扇によって換気を行う必要があります。換気により室内温度が高くなりがちなので、エアコンの温度設定を下げるなどの調整をしましょう。
「新しい生活様式」では、毎朝など、定時の体温測定、健康チェックをお願いしています。これらは、熱中症予防にも有効です。平熱を知っておくことで、発熱に早く気づくこともできます。日ごろからご自身の身体を知り、健康管理を充実させてください。また、体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養するようにしましょう。